看護師なら知っておきたい民間療法etc

看護師なら知っておきたい民間療法etc


ここでは、患者さんのケアに役立てることのできる民間療法についてご紹介します。

民間療法の知識を収集しよう!

民間療法、その実態は玉石混淆で、医師でも勧めるくらいに優秀なものから、かえって悪化させるトンデモ健康法まで実にさまざまです。
研究対象としても非常に注目されており、民俗学の分野などでも重要視されています。
薬物的な方法から、信仰的・呪術的方法まで色々ですが、もちろん民俗学の分類は効き目と無関係。看護師としては、安全性・効果という実利的な側面から知識を収集するべきでしょう。 間違っても、意味のない方法を人に勧めてはいけませんから、医療従事者として慎重になるのは分かります。ですが、どんな知識でも知らないよりは知った上で、人に教えるかどうかを取捨選択できるほうが良いに決まっています。 実際に人に勧めたり自分で試したりするかどうかはともかく、健康法についての知識を1つでも増やしたほうが良いという意味で、民間療法を知ることは有益だと思いますよ。 もちろん、民間療法を現代医療と同格に捉えるのは看護師として不適切です。あくまで、個人の健康管理法として捉え、その上で“効果がありそうなら試してみるのも1つの手段”というくらいに考えるのが適当でしょう。 とはいえ、こういった代替医療が徐々に注目されてきているのも事実です。アメリカのハーバード大学には代替医学研究センターが設置されていますし、イギリスでも王室基金を用いて代替医療研究が進められています。
特にアメリカは代替医療の研究に積極的であり、例えばハーブ療法の分野からオトギリソウの鬱病への効能を探るべく、オトギリソウのあらゆる抽出液を対象として無作為化臨床試験などを実施しています。その規模たるや、なんと1つの研究分野だけで日本円にして1億円もの予算が投じられている例もあるほどです。
皆保険制度のないアメリカでは多くの人が私的保険に加入しており、それらの多くは代替医療が適用対象とされるようになっています。 その研究の甲斐あって、アメリカでは成人の4割が代替医療の提供を受けた経験があるそう。しかも、教養のある人物ほど頻繁に代替医療を利用していることが分かったのです。
ちなみに特に頻繁に利用されているのは、ハーブ・鍼治療・アロマテラピー・カイロプラクティックでした。 実際、日本で保険適用されている薬には漢方薬が含まれていますが、これも厳密には代替医療でしょう。いわゆる西洋医学の範疇には収まらない薬だからです。国が資格として認めている鍼灸師・按摩師の施術にしても同様。 要するに、ある程度の効果が認められ、害がないと確認されさえすれば、民間療法が1つの医療的選択肢に昇格していく可能性は充分にあるのです。
こういった観点からも、看護師として民間医療の知識に触れることが無駄なはずはありません。

日本で民間療法を研究している機関

97年に、日本補完代替医療学会が設立され、1000人以上の医師が在籍していることからも分かるとおり、日本国内でも代替医療・民間療法の可能性に着目している医師は多くいるのです。
近年では、アーユルヴェーダなどの伝統医学に加え、プラズマ療法や健康食品の効果を含め、数々の民間療法を研究しています。 日本統合医療学会では、ゲノム治療や再生医学などの最新技術と並んで、食餌療法・サプリメントといった予防医学領域の民間療法についても研究を実施。さらに2002年には金沢大学に補完代替医療学の講座が開かれましたし、北陸大学や大阪大学大学院にも同じような講座が開講されました。
伝統的に日本で用いられている漢方薬学についても、一部の薬科大学で専門的に扱われるようになってきています。
これからの時代、洋の東西を問わず、効果が認められる治療法すべてを用いる統合医学が当たり前になっていくことでしょう。

つらい咳を鎮める民間療法

風邪やアレルギー性のぜんそくで咳が止まらない患者さんを見かけたら、咳を和らげるための民間療法を紹介してみるのはどうでしょう?
体調不良の代表的症状である咳を止める方法は、世界中にたくさん存在しているんです。家族や知人へのアドバイスにも応用できるのではないでしょうか?

風邪に効果的な世界の民間療法

こちらでは、風邪の諸症状を緩和するために用いられている民間療法を紹介しています。
解熱・関節痛緩和など患者さんの辛い症状を抑えるために有益な方法を知っておけば、病棟勤務にも役立つはず。夜間に“ドクターを呼びつけるほどじゃないけど、何だか辛そう”という状態になった患者さんがいたら、アドバイスしてみるのも良いでしょう。

鼻づまりを改善する民間療法

今や日本人の国民病のような様相を呈している花粉症。その主な症状といえば鼻づまりです。
外来患者さんへのアドバイスにも役立ちますし、入院中の患者さんが花粉症で困っている時に助言してあげることも出来るでしょう。たとえ一時しのぎにしても、鼻をすっきりさせることができるなら、十二分に有益といえます。