こちらでは、鼻づまりに効果を発揮してくれる世界の民間療法をご紹介します。
風邪、花粉症、アレルギー性鼻炎などなど、多くの体調不良に付き物の症状が鼻づまり。
患者さんが鼻づまりでつらそうにしている時、効果の期待できる民間療法を教えてあげたら喜ばれるかもしれません。
実際、鼻づまりを改善するために、世界中で古来より様々な工夫がなされてきました。今でも用いられている民間療法は、ある意味で世界人類の英知の結晶です。
これをすれば鼻が通るという世界の知恵を、実際に見ていきましょう。
それでは実際の民間療法について確認していきましょう。まずはヨーロッパ・アメリカで好まれている方法をご紹介したいと思います。
洗面器に2リットルくらいの熱湯をたっぷり注ぎ、そこにティースプーン3杯の食塩を入れます。あとは火傷してしまわない程度に顔を洗面器に近づけ、隙間をタオルなどで覆ってください。
ヘッドスチームといって、顔だけをサウナに入れるようなイメージです。途中で鼻水がどんどん垂れてきますが、気にしないで続けてください。
食塩の他に、ユーカリオイルやミントなどのスースーする精油を加えたり、鼻の粘膜を癒やしてくれるカモミールを入れる方法もあります。ただ、これらは塩より入手が面倒なので、可能なら…という感じで良いでしょう。
蒸気を吸い込むことで鼻粘膜を洗浄することができますので、粘膜についたアレルゲンを洗い落とす効果が見込めます。また、ミントには清涼効果・解熱作用、ユーカリには抗菌・抗ウイルス作用があるため、風邪などの諸症状を緩和する効果もあるでしょう。消炎作用のあるカモミールを加えれば、直接鼻粘膜の炎症を抑えることができますから、特に大きな効能が見込めます。
ちょっと手はかかりますが、鼻づまり解消には非常に効果的な民間療法といえるでしょう。
これは非常に分かりやすい方法で、鼻の中を洗うという方法。
もちろん、真水でやるとプールで水を吸い込んだ時のように激痛が走りますから、食塩を加えてください。人体と同じナトリウム含有量にすることで、浸透圧の影響がなくなり、問題なく吸い込むことが出来るようになります。
その濃度の食塩水を生理食塩水と呼び、濃度は0.9%です。冷水でなく温かいお湯に塩を入れて鼻から吸うのがオススメ。
もちろん、肺まで入ると苦しいので、適度な強さで吸い込みましょう。
こちらも考え方は同じで、鼻粘膜の洗浄です。花粉などのアレルゲンを洗い流せば、鼻の通りはかなり楽になるでしょう。原始的な方法ではありますが、非常に確実です。
マスクにペパーミント・ユーカリオイルを含ませます。
刺激香によって鼻づまりが癒やされる他、ミントの解熱作用やユーカリの抗ウイルス作用によって鼻粘膜からのウイルス侵入を防ぐことも可能です。ストレス緩和などの心理的作用もありますので、体調不良時には良いでしょう。
アロエの汁をちょっとずつ鼻腔に入れる方法が取られます。
消炎効果のある成分アロエエモジンが含まれていますので、鼻粘膜の炎症を和らげる効果が期待できるでしょう。鼻の炎症を抑えれば自然と鼻づまりは軽くなりますので、充分に効果のある民間療法であるといえます。
今度は、我が国をはじめとしたアジア地域の民間療法について見ていきます。鼻づまりの苦しさは万国共通。少しでも和らぐというのなら、患者さんに紹介する価値はあるでしょう。
唐辛子を加えたもやし料理を食べ、さらに焼酎を唐辛子を入れて一気飲みする方法が好まれます。日本人感覚だと疑問もありますが、辛いモノに身体を温める効果があることを踏まえれば特に問題はないでしょう。
もやしにはカリウム・鉄・アスパラギン酸・ビタミンB群・ビタミンCなど様々な栄養が含まれているため、体調不良の際に食べるものとしては素晴らしい選択といえます。唐辛子にしても、身体を温めて免疫を高める効果が期待できます。
また、唐辛子のカプサイシンには血行改善作用があるので鼻の通りを改善するのに役立つでしょう。
ただ、アルコールには炎症を増大する可能性があるので焼酎は考え物。煮沸してアルコールを飛ばしてしまったほうが良いと思います。
ネギ・生姜・大根のおろし汁を脱脂綿に浸し、鼻の奥のほうまで詰め込みます。それに加えて、鼻の両わきにあるツボを刺激する方法も良く用いられています。
いずれも血流を改善したり、炎症を抑える作用があるため、鼻の通りを改善できる可能性は充分でしょう。長ネギには血行改善作用の強いアリシンが含まれているため特に有効性が高そう。
鼻の両わきのツボに関しては多くの人の経験則から来ているようですが、効果があるという主張をあちこちで見かけるので一定の期待は持てそうです。
ショウガ・シソ葉それぞれ3gを煎じ、黒砂糖15gを足して飲みます。
生姜に含まれるジンゲロンには血行促進効果があり、シソのルテオリンには抗ヒスタミン効果があるため、いずれも鼻炎症状の緩和が期待できます。
黒砂糖の糖分は体調不良時のエネルギー摂取に役立ちますし、全体的に妥当な民間療法といえます。
スイカのツルを煎じて飲みます。
スイカに含まれるシルトリンには強い利尿作用があるため、初期の糖尿病に効果があると言われています。果肉より皮に強い効果があるため、皮を煎じて飲むことも多いです。
血流量を増加させる作用もあるので鼻づまり改善に効果があるのも頷けますが、この民間療法ではツルを使っていますね。ツルが皮と比べて豊富なシルトリンを含んでいるのかどうかは分からず、この方法をどこまで信頼して良いかは不透明です。
生姜を煎じた液体にレモンの葉を何枚か入れたものを飲みます。
生姜の血行促進作用で鼻づまりは改善されるでしょうが、レモン葉を使用する意図は不明。ビタミンCを摂取するなら果肉のほうが含有量が高いはず。
シトラールというリラックス効果のある成分が含まれていますが、鼻づまりへの直接的効果があるかは疑問です。