このページでは、和歌山県内で漢方系の診療科を持つ総合病院についてご紹介します。
漢方を取り扱う病院。和歌山県にはどのようなところがあるのでしょう。
でも、その前に1つお聞きしたい事があります。
皆さん、和歌山県からは、ある意味で統合医療の祖といえる人物が出ているのを知っていますか?
それは江戸時代の医師として知られる華岡青洲です。
チョウセンアサガオやトリカブトを用いた漢方由来の全身麻酔「麻沸散」を完成させ、記録上最古の全身麻酔下の乳がん摘出手術に成功した人物です。
この華岡青洲は皮膚病の緩和に効果的な漢方薬である「十味敗毒湯」を考案したことでも知られ、まさに伝統医学の継承者にして、日本近代医学の祖といえる人物。そんな人が現在でいうと和歌山県紀の川市から出ているのです。
統合医療として漢方が注目を集めている今、もう1度、和歌山から漢方医学と西洋医学を融合する動きが出ても良いのではないでしょうか?
漢方医学に興味をお持ちの看護師さんがいらっしゃれば、是非とも漢方外来を設置している病院へ転職することを検討して頂きたいと思います。
それでは、和歌山県内で漢方に対応している病院をご紹介していくことにしましょう。
和歌山ろうさい病院では、女性専用の漢方外来を開設しています。
漢方外来が女性専用なのは漢方外来受診者の比率が女性に偏っていることの他、更年期障害など女性特有の症状に漢方が効果的とされていることも理由かもしれません。
標準医療では、更年期障害に対してはホルモン補充療法が選択されることが多いのですが、実はアメリカなどの医療先進国では安易なホルモン治療の適用に警鐘が鳴らされています。
これは長期のホルモン療法によって乳がんや子宮がんの発生リスクが向上するほか、ホルモン補充療法が禁忌となる患者が多いことが理由。
そのため、患者側がホルモン補充療法を受けることに不安を感じる可能性があることを考慮し、別の選択肢を提示するために漢方外来が設置されたのです。
すべての症状が漢方で解決するわけではありませんが、月経困難症・冷え性・更年期障害に対しては、漢方が有効に作用することが知られています。
また、和歌山ろうさい病院では、女性の精神面に配慮し、女性専用外来の医師を女医に限定していることでも知られているのです。
医師だけでなく、電話対応・受付・検査技師を含めて全員が女性。どんな悩みでも遠慮なく相談できる体制が整っているのは患者にとって魅力的でしょう。看護師など働く立場からしても、こういった先進的な病院で働く機会を得ることは今後に向けて有益だと思います。
日本赤十字和歌山医療センターは865床を持つ大病院で、災害拠点病院・救命救急センターなどに指定されている地域医療の中核をなす医療機関といえます。
多くの漢方情報サイトなどで“漢方を扱っている病院”とされていますが、公式サイトなどで特に漢方外来に関する情報を出しているということはありません。基本的には一般の病院ですが、必要に応じて漢方を処方しているというのが実情のようです。
ただ、こういった大病院では中小病院では得られない経験を積むことができますし、漢方を含め多種多様な治療に触れるチャンスもあるはず。
大病院志向の看護師さんは転職先の候補にしてみても良いでしょう。
公式サイトに漢方に関する記述はありませんが、乳腺外科の治療で漢方が用いられているものと思われます。
近年、併用禁忌の薬が多く、かつ絶対禁忌の症状も多いホルモン療法に変えて漢方を用いる治療が増えてきており、古梅記念病院でもそういった女性に対する漢方治療が行われているようです。
その他、冷え症・更年期障害の治療にも漢方は有効とされており、女性を対象とした漢方外来を開設している病院もあります。漢方の処方には積極的なようなので、そういった面でも漢方を活用しているのではないでしょうか。